2013年 07月 05日
道傍の 小さき花に 歴史あり
昨日の蔓と違って今日は 日本の可愛いアサガオ 「ひるがお」です。
昼顔は全国各地の野原、道端など日当たりの良い所ならどこにでも生える つる性の多年生草本で、
夏になると付け根から花柄を出し、その先端に5cmほどの朝顔に似た紅紫色の花を咲かせます。
海辺などの砂地で群生している花は「ハマヒルガオ」ともよばれます。
「打日さつ 宮の瀬川の 容花(かほばな)の 恋ひてか寝らむ 昨夜(きそ)も今宵も」 万葉集
「 高円(たかまと)の 野辺(のへ)の容花(かほばな) 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも 」 大伴家持 (高円の野辺に咲き匂う容花。この花のように面影がちらついて-あなたを忘れようにも忘れられません) 作者は聖武天皇の行幸にお供しており、伊勢から山城への途。高円(たかまど)は奈良市の高円山。 その麓に住む妻の坂上大嬢(おおいらつめ)に 贈った一首です。
「 美夜自呂(みやじろ)の 砂丘に立てる かほが花 な咲き出(い)でそね こめて偲はむ」 作者未詳
(美夜自呂の砂丘に生い立っている「かほ花」よ。 花がぱっと咲いて人目に付くように、お前さんも派な 振る舞いをしないでおくれ。 こっそりと愛でたいのだから)
「 うちひさつ 美夜能瀬川の かほ花の 恋ひてか寝(ぬ)らむ 昨夜(きそ)も今夜(こよひ)も 」 作者未詳
(美夜能瀬川の川辺に咲くかお花のように、あの子は私に恋焦がれて昨夜も今夜も寂しく寝ていることであろう) 昼顔は夜になると花を閉じます。その花のように一人寂しく寝ている乙女の眼には涙。
「 石橋の 間々(まま)に生ひたる かほ花の 花にしありけり ありつつ見れば 」 作者未詳
(川を渡るために置いた飛び石の合間に生えているかお花。その花は美しいけど実を付けない仇花だった のだな。 やっぱり一時の浮気心だったのか。 こちらは真剣に付き合ってきたのに。)
「 雑草の 茂みに蔓(つた)をからませて 昼顔わずか 崖下に咲く」 山口みよ子
((目立たないところにも咲き、強靭な生命力を持つヒルガオ。その葉を乾燥させ、煎じて飲むと糖尿病、
膀胱炎、利尿に薬効ありとされ、 古代の人々にとっては生活に密着した有用の草木だったのでしょう。))
{ 万葉集遊楽 より }
昼顔は全国各地の野原、道端など日当たりの良い所ならどこにでも生える つる性の多年生草本で、
夏になると付け根から花柄を出し、その先端に5cmほどの朝顔に似た紅紫色の花を咲かせます。
海辺などの砂地で群生している花は「ハマヒルガオ」ともよばれます。
「打日さつ 宮の瀬川の 容花(かほばな)の 恋ひてか寝らむ 昨夜(きそ)も今宵も」 万葉集
「 高円(たかまと)の 野辺(のへ)の容花(かほばな) 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも 」 大伴家持 (高円の野辺に咲き匂う容花。この花のように面影がちらついて-あなたを忘れようにも忘れられません) 作者は聖武天皇の行幸にお供しており、伊勢から山城への途。高円(たかまど)は奈良市の高円山。 その麓に住む妻の坂上大嬢(おおいらつめ)に 贈った一首です。
「 美夜自呂(みやじろ)の 砂丘に立てる かほが花 な咲き出(い)でそね こめて偲はむ」 作者未詳
(美夜自呂の砂丘に生い立っている「かほ花」よ。 花がぱっと咲いて人目に付くように、お前さんも派な 振る舞いをしないでおくれ。 こっそりと愛でたいのだから)
「 うちひさつ 美夜能瀬川の かほ花の 恋ひてか寝(ぬ)らむ 昨夜(きそ)も今夜(こよひ)も 」 作者未詳
(美夜能瀬川の川辺に咲くかお花のように、あの子は私に恋焦がれて昨夜も今夜も寂しく寝ていることであろう) 昼顔は夜になると花を閉じます。その花のように一人寂しく寝ている乙女の眼には涙。
「 石橋の 間々(まま)に生ひたる かほ花の 花にしありけり ありつつ見れば 」 作者未詳
(川を渡るために置いた飛び石の合間に生えているかお花。その花は美しいけど実を付けない仇花だった のだな。 やっぱり一時の浮気心だったのか。 こちらは真剣に付き合ってきたのに。)
「 雑草の 茂みに蔓(つた)をからませて 昼顔わずか 崖下に咲く」 山口みよ子
((目立たないところにも咲き、強靭な生命力を持つヒルガオ。その葉を乾燥させ、煎じて飲むと糖尿病、
膀胱炎、利尿に薬効ありとされ、 古代の人々にとっては生活に密着した有用の草木だったのでしょう。))
{ 万葉集遊楽 より }
by hirano_k
| 2013-07-05 06:52